「壺中百年の会」平成27年5月18日(株)ファーストコラボレーション

5月18日(月)に「壺中百年の会」で高知・香川にて「人をたいせつにする企業」2社を見学してきたので、その時の感想など。
最初は高知の不動産会社(株)ファーストコラボレーションさん、社長の武樋さんとは「壺中百年の会」の前身「2割企業創出プロジェクト」の時からの顔見知りで、私も高知に出張の折には高知東店に何度かお邪魔したこともある。また、昨年11月の四国産業局主催のイベントでは女性社員さんたちのバイタリティーあふれるトークもうかがったので、会社の雰囲気は何となく分かっていたのだけど今回はより具体的に(株)ファーストコラボレーションさんが行っていることを知ることができた。
不動産会社というとお金大好きで派手好き、社員の幸せなど2の次といった方が社長というイメージがあるが、武樋社長は真逆な「人本主義経営」の最先端をいっている方である。「命令なし、ノルマなし、歩合なし、飛び込み営業なし」で毎年右肩上がりの業績を残しているのが凄いし、社風が明るいのは社員間でも「あだなOK、役職名なし、外出自由、雑談結構」という厳しい管理ではなく、社員の自発性や創造性に期待し性善説で社員に接している。何よりも「根性、忍耐、長時間労働」の三拍子揃った男社会である不動産業界で、4つの店舗のうち2つが女性店長で、しかも二人とも未就学児童を持つワーキングマザーという常識破りの会社なのだ。




なぜ、このようなことが可能になったのか。最初の高知市の会場での社長や社員のトークやこの会社の1号店南国店の見学などではその日は今一理解できなかった。まずは武樋社長の「思いの強さ」だろうことは、想像できる。しかし、なぜそのような「強い思い」を抱くことができるのか?





以前、会社を訪問して武樋社長と食事をする機会をいただいた時、雑談の中で「色々な思いつきを奥さんに話すときに偽善者を呼ばれることがある」と話されたことを思い出した。ごくごく普通な人が聞けば絵空事、きれいごととしか思えないことを真面目に愚直に取り組んでいこうとすることが凡百の経
営者との違いではないか。
武樋社長はこの会社を始める前に10回以上も転職を繰り返し、人生の辛酸を相当に舐めてきたはずである。そういう人は往々にして人格に歪を生じがちなのだが、そのような半生を送りながらもピュアな心性を持ち続けたことこそ「奇跡」なのではないか。そのことが一地方で最先端の人本主義経営の会社を作り出すことに成功した第一の要因だろう。
そしてわが身を顧みたとき、大して苦労などしていないのに、まっすぐではない性根を猛省せねばと思った。