JSR(人本社労士の会)ベンチマークスペシャル 株式会社マルブン

JSR(人本社労士の会)ベンチマークスペシャル四国の2社目、イタリアンレストラン、株式会社マルブンのレポート。
眞鍋社長は以前、中小企業家同友会松山第2支部で、支部長をされていて、私は幹事として加わっていたので、
その節は大変お世話になったものである。
その時から、ずっと「眞鍋さん」なので、今回のレポートも社長は略させていただきます。
お許しを。

最初にマルブンの歩み、会社の理念、今後の方針など眞鍋さんの話の後、マルブンの食事をいただいたが、
思いつくまま、内容を列挙してみる。

売り上げの拡大ではなく、スモール・グッド・カンパニーを目指す。
働き手の確保が困難な時代だからということかもしれないが、
この辺りは1社目のヴァンサンカンに似ている。
働き手不足のことで、そのような時代にもかかわらず採用のハードルをあげたという。
それで売り上げが減ることも承知の上である。
今、社内はザワザワしているが、決してそれはマイナス要因ではなく、
人間は本来変化を嫌うものだが、変化に対して不安になっている兆候なので、
いいことだと受け止めているということ。

誉め言葉のシャワー、伊野町で教育大使をされている菊池先池に大いに刺激を受けたという。
ただ、これを職場で取り入れると男なら「ようやっとるな」的な漠然としたものでいいが、
女性は個別具体的でないと効果が薄い、
「さっきのお客さんにお冷を出した手の角度が〇度だったが良かったね。」
くらいは細かく観察してないと
「私のことに気を配ってくれている」とならないそうである。
人間の心にはストロークというプラス因子(思いやり、優しさ、微笑、笑顔、明るさ)と
ディスカウントというマイナス因子があるのだが、プラス因子で心を埋め尽くして、マイナスを除去するのがいい。
しかし、実際には脳科学ではプラスのスイッチ1に対してマイナスのスイッチは20と全然多い。
人は笑顔をし続けるのはむつかしい。
1回クレームを受けるとそれでへこむ。
リーダーは常に笑顔でい続けなければならない。

従業員の一部と障がい者キャンプに参加して料理をふるまうのは単なるボランティアではない。
そこに参加してイベントを喜んでくれる子供たちの笑顔、
これに触れることで、「食事を作りそれを提供することの喜び」を体験し、
仕事の原点を確認してもらうため。
(このあたりは難民キャンプに参加して眼鏡を無償提供することを毎年おこなっている「富士メガネ」の取り組みに似ている)

諸外国に比べて日本の外食の値段は安すぎる、
生産者が作物を作るのから、お客様に食事を提供するまでどれだけ手間と費用がかかっているか、
大学生の就職活動で就いてはいけない職業では外食は、出版や金融と並ぶ。
「水商売」と言われる外食の仕事を世間に認めてもらえるような会社にしたい、
いい仕事、悪い仕事などない、
必要とされる仕事かどうかではないか。

アメリカには年1回視察に行くのだが、アメリカ人は名刺交換などしない。
「何をしているのか」「何のためにやっているのか」を聞く。
上場会社であるかとか、社員数など重んじたりしない。
1980年年代アメリカはなぜ、日本が繁栄したのか研究し、
戦後の経営者がいかに「社会に欠けているもの、必要とされるもの」を開発し、
国民に供給していったかが分かったという。
アメリカではバングラデシュのマイクロファイナンスのような困っている人を助けて自立させることで投資を得ることがビジネスとして起こってきているという。
(具体例として囚人の社会復帰後の仕事の受け皿としてハンバーガー店を作った例を挙げていた)
日本の方が今やアメリカ以上に拝金主義の国になってしまった。

安定して楽な仕事をしたいという若者が多い。
親がそのように言うのだから仕方ない。
外部環境はいつの時代でも変化するのだから、安定した仕事などあるわけがない。
みんなで力を合わせて安定させているのだ。
このままでは本当に日本は落ちぶれた国になってしまいかねないが、その責任は我々の親の世代にある。
後から来る者たちのために何とかいい流れを作ってあげたい。

思いつくまま書き連ねた、
この後の会食では、眞鍋さんを囲んで美味しい食事を堪能したが、
細かく周囲に気を配りつつ、冗談で周囲を和ませる眞鍋さんのホストぶりで、
楽しいひと時だった。
久しぶりに眞鍋さんとお話したが、常に事業の先を見据え、勉強と努力を怠らない姿勢にあらためて感銘をうけた。
貴重な時間、本当にありがとうございました。

それと今回県外参加者の方、結構愛媛に好印象を抱いてくれたようでそれが嬉しかった。
小林先生、今回の企画ありがとうございました。