11月28日の経営フォーラム、少し熱気が冷めてきたところで、私個人の範囲でまとめてみる。
今回実行委員会の一員として関わることで従来にない新たな出会いや学びがあったので、それを列挙してみよう。
1点目は実行委員長の本田さんとかなり密に関わることができたこと。
本田さんの誠実な人柄と幅広い人脈は以前から知っていたが、今回改めてあらためてそれを感じ取ることとなった。
周囲に細かく気を配り、全力で物事に当たる姿勢大変すばらしく感じました。
それと徳島の経営フォーラムへの同行、今まで多くの同友会の全国大会には参加してきたのだが、
他県同友会に丸ごと参加というのは初めてで、貴重な体験だった。
16年連続会員増強の徳島同友会の取り組みを色々聞き、それを愛媛の人たちにお話しできたことは、
もしかするとこのことが愛媛の取り組みの新たな一歩になるかもしれないと思わせたような大きな出来事だった。
本田さん、本当にありがとうございました。
2点目は初めて経営フォーラムの分科会で座長をさせてもらったこと。
報告者のスリーラインズ株式会社の代表取締役の山内さんのお話は、
以前、何度か聞いたことがあり、その内容については何も心配してなかったが、
いかに山内さんに気持ちよく話していただくか、
分科会の締めの座長まとめをいいものにするかで、いかに分科会自体の参加者の学びを実のあるものにするか、
ということで気を配った。
幸いにして山内さんはITにも堪能で、本番までに対面で出会ったのは1回きりだったが、
ネット上のやりとりだけでお互いの意思疎通は十分だった。
座長のまとめは手堅いともいえるが、凡庸なものに終わり山内さんには申し訳なく思う。
しかし、身内の和気あいあいとした地区内の例会とは違う、
準全国大会レベルの経営フォーラムは、今までにない緊張感があり、刺激的だった。
当日、会場設営等に当たってくれた多くの会員さんたちも、きさくで協力的、素晴らしいものだった。
何より山内満子さん、子息の配偶者であられる美紀さん、本当にご協力ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
3点目、すでに死去されているが著名な経済学者、宇沢弘文氏とそれに関わる人たちと知り合うことができたこと。
今回の経営フォーラムの第一部の基調講演が宇沢弘文氏の長女、占部まりさんということで、
これを機会にと思い、宇沢氏の著書を何冊か図書館で借りて読んでみた。
写真の「宇沢弘文の経済学」と「経済と人間の旅」である。
「宇沢弘文の経済学」は比較的読み易かった。アダム・スミスが経済学者以前は道徳哲学者だったという話は初めてだった。
「経済と人間の旅」は前半は、日経新聞の「私の履歴書」に書かれてあることの転載で、これは読みやすいのだが、
中盤以降の経済学の専門的解説は私には難しくさっぱりだった、私もまあ、一応経済学部卒なのだが。
占部さんは「経済と人間の旅」は後半は確かに少し難解だけど、とばして最後の「私の東大改革論」だけでも読んで欲しい、と言われた。
この箇所は自由な人間の精神を育てるリベラルアーツの教育の大切さを説き、
国立大学の独立行政法人化の影響を危惧する内容で、私も全面的に賛成するものである。
当日の講演内容は、往々にしてこういった経営者の集まりでの学者の講演というのは、
抽象論より実務を重んじる経営者にとってすこぶる退屈なものになりがちなのだが、
占部さんの話は極めて分かりやすく、「海や河川、空気や森、広義には病院や学校」といった「社会的共通資本」は、
市場の自由にしてはならないとする、宇沢経済学は今回の経営フォーラムのテーマであるSDGsにぴったりであり、
市場原理主義が世界に混乱と格差と貧困をもたらしている現在、時代を先取りした考えといえ、会場の反応の良かった。
経営フォーラムの前夜から前乗りしていた占部さんと実行委員会の有志で前夜祭をしていたのだが、
初めてお会いした占部さんは身長が高く手足が長く小顔な日本人離れした体躯に驚いたのだが、
化粧気のなくてもチャーミングな顔、気さくな人柄、
インテリ家庭に育った人に特有の奥ゆかしさと品の良さを備えたとても魅力的な方だった。
また、私も活動を通じてお会いできる日があればなと思った。
当日、基調講演の後、占部さんと二人でトークセッションを行った愛媛新聞社の副部長の鈴木さん、
前夜祭から大学時代から宇沢経済学の信者であることを吐露されていて、
所有している著書をわざわざ持ってきていただいたのだけど、2,30冊あった膨大さに驚いてしまった。
その鈴木さんとは経営フォーラムの後、実行委員会で行った2次会終了後、
ふらりと一人で寄った店に鈴木さんもおられて、私が経済学部出身で、最近に宇沢先生の著書を読んだことから始まり、
私の読書遍歴から時事問題まで長々話し込んでしまった。
次回お会いした時には、もっと興味深い話の展開が楽しめそうだ。
そんなこんなで色々な出会いが楽しかった一日だった。
また、こんな楽しい日々がありますように。