北海道ベンチマークツアーの最後は、札幌郊外の株式会社特殊衣料、
第7回日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した会社である。
受賞理由の主なものに全社員170名のうち、障がい者30名、
60歳以上の高齢者42名といった具合に多くの就職困難者を雇用していることが評価されたものだ。
この日は土曜日の午後で障がい者で働いている方はゼロだったので、彼らの働きぶりを見学できなかったのが残念で、
説明は会長、社長(会長の娘)、管理職一人でしていただいた。
事業内容は1.リネンサプライ 2.清掃 3.福祉用具 の3種類
先代まではリネンサプライだけを取り扱っていたが、2代目の現会長になって
多角化に踏み出したそうだ。
お話を聞いて気づいた点を何点か。
1.障がい者雇用を円滑に進めるためには、教育が必要なのだが、
きっちりとした分かりやすいマニュアルが整備されていた。
作業指示書の内容も細かなものだった。
色を変え、挿絵を交えているのだ。
健常者ではこうはいかないが、むしろ障がい者に教えるつもりで、
教育をするようにできないだろうか。
私の私見だが、何せこれからは人口減少社会なのだから。
2.現会長になって手掛け出した清掃も、
ヨーロッパ型清掃という空間清掃(床以外に、空気中浮遊する塵や埃の除去)
を取り入れるなど、斬新なアイディアを出している。
「自分から求めたものではなく、周囲からの要望に応えただけ」
と池田会長は謙遜するが、アンテナを高くし、
周囲を引っ張っていく力がないと、今ほどの発展はなかっただろう。
3.日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した理由のひとつに、
障がい者の表現活動を積極的に支援していることだ。
この日も会社に併設しているアートギャラリーを見学したが、
知能障害と芸術的センスは別物と考えられ、
ずいぶんと素敵な絵や刺しゅうは中々素敵なものだった。
「今まで見てこられた会社さんに比べると、うちなどとてもとても」
と会長は謙遜するが、そんなことはない、
十分立派な会社であると思う。
多くの芸術作品に触れた心地よい余韻に包まれて、会社を後にした。