9/6(金)、9/7(土)の北海道 人本経営実践企業を巡るベンチマークツアーに参加したのだが、
その模様をレポートしておく。
まず1社目が日本理化学工業株式会社の美唄工場。
日本理化学工業株式会社は全体の74パーセントが知的障がい者という企業で、
50年以上も障がい者雇用を実践し続けている。
川崎が本社なのだが北海道にも工場があり、今回はこちらを見学させてもらった。
お話をしてくださったのは、常務取締役で工場長の西川一仁さんである。
障がい者雇用に取り組む中小企業のカリスマとも言える大山泰弘会長は、
今年2月に亡くなられたが、西川さんが大山会長の思いを共有できるようになった過程を、
お話の中から私なりにまとめてみた。
1.最初は営業で入社して、なるべく障がい者と関わらないようしていたので、
案の定、彼らと壁を作ってしまっていた。
商品はチョークなので学校や役所なのだが、利己的な心が相手に伝わるのか、
成績が上がらず、気分が乗らなった。
工場内で一生懸命働いている障がい者の姿に感銘を受け、
これを売らない訳にはいかないと発奮した結果、
だんだん成果が上がってくるようになった。
「利他」の精神に近づいたのかもしれない。
2.大山会長は、一旦雇用したら、どんなやり方をとってもポジションで、
能力を発揮してもらうという考え方である。
当初はその考えを理解できず、ことあるごとに会長に反発していたが、
会長は決して諦めないので、そのうち意見することもなくなった。
とにかく障がい者を雇用する際、一つのポジションで作業させて、
うまくいかなかったら、別のポジションに行かせる、
あるいはやり方を変えてみる、決して諦めない方だったという。
3.いい人はいない、いい人は作る。
たくさんの人材はいる、磨かないでいい人が欲しいなど、虫が良い話ではないのか。
人を育てられない会社に人を行かせたいと思いますか。
4.愛情と関心を彼らにそそぐこと。
朝出社したら、「何があった?」程度でいい。
色んなことがあるので顔色がよくなかったりする。
みんな素直で純粋である。
5.皆が働ける「皆働社会」の実現が夢。
社員の一人一人を成長させるために、6S活動を行っている。
5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)に安全(Safety)を加えた6Sを重視して取り組んでいる。
お話の後、工場中で障がい者が働いている姿を見せてもらった。
みんな立派に持ち場の仕事をこなしていた。
この姿を見れば西川さんのように、彼らの生活安定と会社の存続のために、
懸命に働く気にもなるだろうなと思った。