ハッピーな考え方

今年度最後の愛媛県中小企業家同友会松山支部例会が昨日15日(水)に共済会館であったのだが、報告者の(株)ハッピーファーマシー 代表取締役 新野和幸さんのお話の概要、
私の感想などアップしておく。

実は先月第3地区幹事会で今回の例会に向けてのプレ報告会があり、
第2地区幹事の私もゲスト参加させてもらった。
まあ、報告のリハーサルというより当日に向けての打ち合わせであり、
報告者の新野さんとの意思のすり合わせといった幹事会であったが、
その時の新野さんの私が受けた印象は、
「この人はスーパービジネスマンだな、同友会タイプの方ではないな。」と。
創業10年で松山市内を中心に20店舗を超える薬局を開き、100人以上の従業員を雇用している、サラリーマン時代には好業績ゆえに社内でやっかみにあったことが、現在の独立のきっかけだという。
中小企業家同友会の会員の多くは、私は「普通の人」だと思う。
「カリスマ経営者」ではないのだ。
しかし、新野さんは実績だけみると単に時流に乗っただけとは思えない、
相当なやり手のように感じられ、逆にオーソドックスな同友会タイプではない方のお話が聞けるのは楽しみではあった。


新野さんのお話の内容で自分にとって印象に残った点をランダムに列挙。

1.「ハッピー薬局」((株)ハッピーファーマシーの薬局名だが)の考え方

@挨拶ができる@お礼が言える@お詫びができる
3つのことが当たり前にできるようにと従業員に言っているのだが、全然だめ。
社長の方が従業員より先にあいさつしている。

 

私もこれは大いに反省せねばならない。挨拶はしても大きな声で気持ちよく全ての人にしているかどうか。
小声でボソボソっと「こんにちは」では、しないよりはマシだが好印象ではないだろう。

 

2.全ての私たちに関わってくれる人を顧客と考える

これはお店に来てくれるお客さんだけではなく、メーカーや仕入れ、広告代理店、会計事務所の人なども含めるということだ。

 

なるほどなと思った。私もつい冷たい扱いをしてしまうセールスマンなどもぞんざいに扱うのではなく、
「やさしく」断ることはできるはずである。

3.調剤薬局のみで生き残るのは難しいのでは。そのための方策として。

①薬を売るだけでなく健康情報発信ステーションとする。
②大きな敷地が必要で中々好物件を見つけるのが難しいドライブスルー店舗なのだが、
他の患者さんからの院内感染がない、個室なのでプライバシーも保護される、
といったメリットはたくさんある。
③病院の近所に併設してそこの患者さんだけを相手にというのでは限りがある、
在宅の人、施設患者にもお客さんになってもらいたい。

 

4.自分に関する自慢話を繰り返しそうになったら、なんでもいいから別のことを口にした方がいい。
「好き」はシェアできるが、「得意」はシェアできない。
「私は仕事が好きだ」・・・これを使う。

 

これも参考になった。ついつい自慢してしまうからな、私も。

 

5.一番になるために一番努力する。
富士山は日本人なら誰でも知っている。二番以降は普通の人は誰も知らない。
しかし、富士山は世界の中では大した山ではない。
しかし、エベレストは富士山にはなれない。
(株)ハッピーファーマシーが松山で一番の薬局になることは、十分に意義のあることだ。

 

「何でもやりますから何でも仕事ください」は、仕事を頼みにくいとは聞く。
やはり得意分野、その分野で一位を目指すのが、いいのか?
私はまだ試行錯誤が続いている。

 

6.新野さんは英国国教会主教の墓石の言葉を紹介してくれた。
“何の束縛もない若かりし頃、想像は果てしなく広がり、私は世界を変えることをゆめみていた。
ところが、年を重ね賢くなり、 世界は変わらないことに気づいた。 そこで、目指すものをもう少し近いものにして、自分の国から始めることにした。
 
だが自分の国も変わらなかった。
老年期に入り、 私の願いは悲痛な思いに変わった。 自分の国もだめなら、 少なくとも、 最も近くにいる家族を変えることにした。
だが、悲しいことに、 これすらままならなかった。
 
今、私は死の床についている。 なんと、今になって初めてわかったのだ。 変えなければいけないのは、 自分自身だったのだと。 
自分が変われば、家族もかわっただろう。
 
そして家族に励まされて支えられることで、国をよくすることもできただろうし、やがては世界を変えることすらできたかもしれなかったのだ。”

 

何事にもへりくだり、他人を自分より優れた者と思うこと、あらためて感じた。

 

7.新野さんが紹介してくれた松下幸之助氏が語った「自分が成功した3つの理由」

それは【 貧乏だったこと 】

   【 学歴がなかったこと 】

   【 体が弱かったこと 】

*貧乏だったから、一生懸命働こうと思い、わずかな給料でも感謝できた。

*学歴がなかったから、他人に素直に教えてもらおうと思った。(ちなみに、松下幸之助氏は、小学校中退)

*体が弱かったから、人の能力を信じて、人に任せることができた。


すべてできない理由になりそうだが、どんな局面でも考え方次第でマイナスをプラスにもっていけるものだ、
私などすべてで松下氏より恵まれているのだから。


例会が終わって懇親会の席で新野さんとお話する機会もあったのだが、新野さんは決して「カリスマ経営者」ではなく、「誠実」に物事に取り組む「普通」の感性を持った方なのではないか。
ただ、その取組む際の「集中力」や「推進力」が常人とは桁はずれている感はあるが。
香川の徳武産業株式会社の十河会長のような落着きと謙虚さが似ている気がした。
お忙しい中、いいお話、新野さん、本当にありがとうございました。
これからも学ばせていただければ幸いです。