中小企業家同友会松山支部2月例会

 

昨夜は中小企業家同友会松山支部2月例会であったが、座長で前に座ったが無事終わって安堵であった。まあ報告者の金子さんに比べると楽なものだが・・・個人的には懇親会の後の2次会で青空の佐伯さんとそのスタッフの方たちと交流ができたのとアジカンの曲をはじめてカラオケで歌えたのが良かった。
ところで例会私の座長のまとめのコメントをアップして欲しいとの要望があったので下にコピペして貼っておきます。何か参考になれば。

 

それでは、これより座長のまとめにうつります。
本日の金子さんの報告皆さんはどのように聞かれたでしょうか。
日本は失敗者に冷たく、中々再チャレンジというものが出来にくい国です。一度会社を倒産させた経営者というものは中々浮上できないものですが、中小企業家同友会は金子さんを迎え入れ、再起に助力を与えました、こうゆうところは同友会の素晴らしいところだと私は思います。同友会の例会は講演ではありません、経営の実践報告です、一方的に壇上から回答を与えてくれるものではなく、皆さんが共に考え共に学びあうもので、だからこそ、成功者の自慢話ではない、生きた学習になりうると私は考えます。
さて、今日の金子さんのお話は皆さん、置かれている立場や環境によって様々な捉え方ができ、学ぶべき点というものが実にたくさんありますが、3点ほどにポイントを絞ってみます。
 

まず1点は、「経営理念や経営指針」といったものがいかに大切かということです。中小企業の多くの経営者は忙しく現場に立ち、営業の一線で奮闘しなければならないため、日々の作業をこなすことで仕事をこなしている気になってしまいますが、ユニクロの柳井会長が日経新聞で語っていましたが、「今日明日しなければならないことをこなすのは作業である、何か月何年先のことを考え準備することこそ仕事である」と。経営者はそれこそが仕事だと思います。私はビジネスの成功の要因は「偶然」や「ラッキー」の要素がすごく大きいと思ってます。たまたま時流にのった、人の縁に恵まれ人脈を構築できた、それで事業を拡大できたとしても、何十年たつと状況は変わってきます。そのときいかに変化に対応していくか、従業員さんたちが自社を家族のように考え、もり立てていってくれるか、ここにかかっているといえるでしょう。たらればの話になりますが、もし、リーマンショック後の不況下で金子さんの会社に「経営理念や経営指針」が確立されていれば、不況を乗り切り現在の製造業の好況の波に乗って、事業は一層の発展を遂げていたかもしてません。
 

2点目ですが、現状では「土地、建物等不動産は買うな、借りろ」ということです。金子さんの倒産の決定的な要因は借金をして新社屋を建てたことです。従業員さんのことを思って快適な環境で働けるようにと考えた金子さんの親心が仇になった。高度成長期やバブル期は不動産や株式は必ず価格が上昇したものですから、先行投資は有利になります。例え本業がうまくいかなくても、土地や建物はそれ自身が資産になりました。しかし今はどうでしょうか、空き家問題です。ほおっておけば安い物件がいくらでも手に入ります。不動産を所有すれば、固定資産税がかかります。管理費や古くなれば修繕費も馬鹿になりません。空地であっても、草刈や除草剤を散布する手間必要です。かつては経常の経営は赤字でも資産価値の上昇によって会社は倒産しないということがありましたが、それは昔の話です。「キャッシュフロー経営」、いかに手元に現金を多く残しておくか、これが大切です。
 

3つ目ですが、「大手の下請けに甘んじない、独自の強みのある製品、サービスを持つ」です。大手の下請けとなると仕事の取扱量は増えますし、一見安定しているようにみえますが、価格決定権は大手に握られ理不尽な欲求に甘んじることも少なくありません。最初は甘い言葉でつってきて、気が付いてしまえば雁字搦めにしばられて身動きできなくなっている、よって会社を存続させるために、より安値で割の悪い仕事をうけざるをえないという悪循環に陥ることとなります。こういった安値競争に巻き込まれ疲弊していった経験から金子さんは、新事業ではお客様の強みをいかにいかすかということに知恵を絞ります。それができるのは金子さんが豊富なキャリアを持っているからなのですが、独自の強みのある製品、サービスを保持していれば、決して理不尽な値下げ欲求に屈することなく、自社と社員の生活を守ることができます。
そんな独自の強みというのは簡単にはないと諦めらめているかもしれません。しかし、人間は短所の多い生物ですが、どんな人にも長所も必ず一つはあると思います。自社にも必ずいい点はあるでしょう。最近とある松山の経営者の方とお話したことがあるのですが、その方は建築系の仕事をされているのですが、一時期の不況から脱して今は仕事を選んでしなければ受けきれないということでした。その方が言われていたのですが「四国の会社はいい仕事をするので本州に行っても評判がいい」ということでした。我々は多くの企業が集積している東京こそいい会社が集まっていると思いがちですが、現実には東京というのは人が多く集まり税収がたくさん上がっているから、ゾンビ企業のようなダメ会社がたくさん生き残っている、それに比べ四国は人口が減っていてお客さんの数も当然少ない。必然的に真面目な仕事ぶりで値段も適正価格なのだそうです。坂本光司先生の日本でいちばんたいせつにしたい会社大賞も企業数に比例すると四国の企業は相当多い。
ここにお集まりの経営者の皆さんは、皆さん意識の高い方たちばかりです。そんな皆さんが力を出し合い協力しあえば、必ず業績を伴ういい会社にすることができるのではないでしょうか。
以上、皆さんへのエールを送りつつ、拙い内容ではありましたが、まとめとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。これよりは司会は室長の辻内さんにバトンを返します。