17日(火)の中小企業家同友会松山支部・伊予松前支部合同11月例会についてレポートしておく。
報告者は(有)ひばり園 の代表取締役 重見弥生さん、
元々は県立中央病院の看護師をされていた重見さんはお金を残すことだけを考えていれば、現職をずっと続けていれば確実だっただろうけれど、「今までお世話になった方への恩返しがしたい、どうせ一度きりの人生、失敗を恐れずにいこう」
と訪問介護の会社を立ち上げたそうである。
経営の素人ゆえ数字も分からず、女性企業家には国金もお金を貸してくれない、マンションも借りれない、などなどスタートから苦難の連続で、少し事業が軌道に乗って利益が出てくると匿名の手紙や電話で誹謗中傷されと、随分苦労されたようである。
この報告の前の事前の幹事会でのプレ報告会では、重見さんが企業経営で大切なのは「会社を潰さないこと」だと言われ、それもあって今回の報告後のグループ討論のテーマは、「潰れない強い会社にするために、あなたが出来ることは何ですか」とした。
まあ話しやすいテーマではあるだろう。
会社がつぶれれば、お客さんや業者さんに迷惑をかけ、従業員は失業し、何より経営者は地位、名誉、財産の全てを失うことになるというまさに地獄を見ることになるというまさに切実な問題なのだから。
潰れない経営体制をどのように作るかという戦略や戦術の他にも、「潰れなければそれでいいのか、社員に夢や希望を与えるためにも規模の拡大を目指すべきではないのか」といった意見など出ることも想定し、「個々の経営者の事業を行う意味や意義」まで議論の深まりを期待した。
私のグループは、小売業、不動産業、障碍者支援、といった業種の方たちがいたが、活発な議論がなされたが、私が知らない業界の現状や課題などを知ることができるのはありがたい。
討論テーマに関しては、「自発的に動いてくれてトップが指示を出さなくても正しい判断をしてくれる社員が育ってくれる会社」ではないかという点に落ち着いた。
もっと深く掘り込んで議論できれば良かったが、これはグループ長である私の力量の不足ゆえである。
そしてグループ内では経営者と若干の社員さんもいたが、グループ内の経営者の方々が、いかに社員さんのことを考え、彼らの幸福を願っているのかを知ることができ、何やら温かい気持ちになった。
今回の例会は、重見さんの人柄のように淡々として派手目のない空気が流れていたように感じた。
それを面白みがないととらえる人もいるかもしれないが、
私には例会終了後、幸福感のようなものに包まれていた。
それは中小企業家同友会が世の中に伝えるべきものを残すことができたという、ある種の満足感と達成感を感じたからかもしれない。