障害者問題全国交流会in愛媛

先週22日(木)23日(金)に行われた「障害者問題全国交流会in愛媛」は600人を超える参加者を集め、(これは目標500人を大きくクリアした画期的な数字であった)
大盛況のうちに幕を閉じたが、
主に私が参加した第一分科会の模様を振り返り、今後の糧にしていこうと思う。

報告者の板橋工機株式会社の河合社長は、企業理念を当初は
「省力化によってお客さまの生産性の向上を目指します」
というものにしていたが、ある日自社が導入した機械によって障害のある方の仕事がなくなり、
退職したと聞き大きな衝撃を受ける。
「省力化イコール省人化になっていないか、これは働く人の幸せを奪っているのではないか」
と考え理念を新しく「お客様の生産現場の問題解決を目指します。」
に変えたところ、今までとは違った仕事が舞い込んでくるようになった。

例えば水耕栽培のねぎの根本のスポンジ部分を分離・切断する機械に、
コンベアを定期的に上下させることで作業者のリハビリも出来るという機械を紹介していただいた。
まだまだ全社的には一部の事業でしかないが、もっと多くのお客様から要望があったときには、
先行者利益で大いに潤うのではということだった。

私の「気づき」や「学び」は何点かあったので列挙してみると

1.今まで私は障がい者の就労ということでは
「雇用」か「職業体験実習」だけかと思っていて、
私の事務所でも常勤は無理でも忙しいときの手伝いや職業体験で障がい者の受け入れを模索したことがあったのだが、うまくいかず挫折した。
河合社長のようにそれ以外で障がい者の就労を助ける方法があることを知った。
社労士という仕事で障がい者の就労に貢献できることはないだろうか?
ぱっとは思いつかないが、今後考えてみようと思った。

2.経営の壁にぶつかったとき、方法論ではなく理念の再構築を目指したところに、
いかにも同友会的なやり方だなと思った。
まあ、遠回りかもしれないがこれが一番の王道だろう。
自分も長い間いじってない企業理念をもう一度考え、
点検し自身の事業を再考する必要性を感じた。


報告の後は各グループでのグループ討論へと移行したが、
支援学校の先生方に実際企業でどのような仕事が行われているかを知ってもらう
「企業見学バスツアー」を始めたことで障がい者の新たな雇用が生まれたり、
到底障がい者雇用は無理だと思っていた企業で雇用が始まった、そんな広島同友会の事例、
最初は働かせてくれるだけで満足していた障がい者たちと一緒に定期的に勉強会を開き、
その中で夢や目標について語ってもらうことで、職場の一体感が増し、
事業としても大いに繁盛している神奈川同友会の会員さんの事例なども聞き、
随分内容の濃いグループ討論であった。