バンクシー展

10月29日に愛媛県美術館に「バンクシー&ストリートアーティスト展」を見に行った。ご存じない人も多いだろうからざっくり説明すると「型紙を用いたグラフィティを中心とする手法で、街中の壁などに反資本主義や反権力的なグラフィティを残したり、大手の美術館内に無許可で作品を陳列したりするなどのパフォーマンスにより、「芸術テロリスト」と称する者も散見する」そうだ。彼はイギリスのブリストル出身なのだが、彼の地は「黒い大西洋」と呼ばれる独特な文化圏で1970年代に登場したポストパンクの旗手「ザ・ポップ・グループ」もここから活動をスタートしたということだ。平日にもかかわらず結構な入場者がいたのが、さすがで今日の世界屈指の表現者である。会場で買った「バンクシー アートテロリスト(毛利嘉孝著)は、バンクシーとストリートアートに詳しくない私には随分勉強になった。バンクシーとそのチームのもたらす影響がかつてのビートルズやセックスピストルズのような音楽と結びついたものであり、しかし、アメリカ大量消費文化やパレスチナ抵抗運動や移民問題などもアイロニカルに描いたものもあったが、そのブラックユーモア性は中々日本人では真似できないものだと感じた。